長引く鼻水や鼻づまりで困っていませんか?

今回は慢性副鼻腔炎ふくびくうえんのお話です。

慢性副鼻腔炎ふくびくうえんとは

副鼻腔とは、鼻腔(鼻の中の空間)の周囲に存在する空洞で、鼻腔とあなでつながっています。「副鼻腔炎」とは、何らかの原因で副鼻腔に炎症がおこる病気です。副鼻腔炎の症状が1カ月以内で治まる場合は「急性副鼻腔炎」、3カ月以上続く場合は「慢性副鼻腔炎」と診断されます。

慢性副鼻腔炎の原因

慢性副鼻腔炎の約9割は、ウイルスや細菌に感染することが原因で起こります。特に多いのが、風邪やインフルエンザなどの感染症をきっかけに発症するケースです。鼻の中に侵入したウイルスや細菌などによって副鼻腔の粘膜が腫れて、副鼻腔内に鼻水やうみがたまり、炎症がおこります。

慢性副鼻腔炎の症状と診断

典型的な症状は「鼻づまり」と、白色または透明で粘り気のある「鼻水」です。また、鼻水が喉に下りてくる「後鼻漏こうびろう」があります。副鼻腔は、目や鼻、頬、上の歯のそれぞれの近くにあるため、重症化して炎症が広がると、目の奥の痛み、頭痛、奥歯の痛みなど、鼻以外の症状が現れることがあります。
一方、急性副鼻腔炎の場合は、黄色い膿のような鼻水が出たり、鼻に痛みが現れたりすることが多いのが特徴です。

慢性副鼻腔炎の診断のためには、まずは問診で症状や、症状が始まった時期などを確認します。次に内視鏡検査、CT検査など画像検査も行い、副鼻腔の状態を調べます。

慢性副鼻腔炎の治療

慢性副鼻腔炎の治療では、まずは薬物療法を行います。薬物療法を行っても症状が改善しない場合は、手術が検討されます。

慢性副鼻腔炎に進行させないためにも、急性副鼻腔炎のうちに治療することが大切です。急性副鼻腔炎の段階で薬物療法を行うことで、ほとんどの場合、副鼻腔炎は完治します。風邪の後に鼻水や鼻詰まりが続いているときには、急性副鼻腔炎が起こっていることも考えられるので、早めに耳鼻咽喉いんこう科を受診することをお勧めします。