月経困難症とは
毎月わずか数日とはいえ、約3分の1の女性が月経困難症により、薬を服用したり、学業、就業が困難になることは大きな問題です。
症状は、下腹部痛、吐き気、頭痛、いらいらの順に多くみられるようです。初経から1~2年の無排卵周期では出現せず、その後、排卵周期になると月経痛が増加します。
原因は
普通、原発性月経困難症は、主に子宮内膜から産出されるプロスタグランディンというホルモンが多量に分泌され、子宮筋の痙攣性の異常収縮が起こり、子宮筋の虚血、低酸素状態が生じ、疼痛を感じると考えられています。しかし、無排卵周期でも起こる場合があります。例えば、極端な子宮前屈や後屈では、狭くなっている頚管内を月経血が通過する際の刺激によって起こるとされています。
治療法は
治療法としては、消炎鎮痛剤の投与が主になりますが、ピル(経口避妊薬)の服用は、排卵を抑制し、子宮内膜が萎縮するため、疼痛が軽減されます。ただし、ピルの服用時の注意としては、35歳を過ぎて、タバコを1日15本以上吸う人は心筋梗塞などの血栓症になりやすくなりますから、禁煙するか、1日10本以下にしましょう。また、ピルはホルモン剤ですから、1年に1回は子宮頚癌や乳癌の検査をしましょう。
通常、月経困難症は、加齢とともに症状が軽快しやすく、妊娠出産などにより症状が無くなる場合が多く、あまり不安になることはありません。続発性月経困難症、例えば、子宮内膜症、子宮筋腫などの場合にはホルモン治療と手術療法がありますから医師にご相談ください。