初めての誕生日を迎えたら、麻疹ワクチンを受けましょう。
赤ちゃんは、出生の時に麻疹に対する抗体をお母さんからもらいます。その効力は生後6ヶ月ころまで続くと考えられています。その後、抗体は徐々に目減りしてきますので、生後9ヶ月のころからは、麻疹に感染する可能性が出てきます。
わが国では、大人も含めて毎年10万~20万人が麻疹にかかっています。その中で、満1歳~2歳未満の子どもが一番多くを占めています。麻疹にかかると熱の高い状態が続き、咳・鼻汁もひどくなり機嫌も悪くなります。麻疹は、子どもにとって、とてもつらい病気です。また、麻疹は中耳炎や気管支炎を併発することも多く、肺炎や脳炎を起こして重篤となることが少なくありません。毎年、40~50人の子どもが麻疹で亡くなっています。
麻疹は、撲滅が可能な感染症であると考えられています。しかし、先進諸国の中でもわが国は、麻疹ワクチンの接種率が低い国の一つです。ですから、わが国の1歳代の子どもの約半数が麻疹の抗体を持っていない状態です。すなわち、麻疹がうつってしまう状態にあります。
いったん麻疹にかかると、麻疹ウィルスに効く薬はありませんので、症状に応じた「対処療法」で対処せざるを得ません。 ですからワクチン接種による予防に勝る治療法はないのです。
わが国では、1歳になると麻疹の定期接種を受けることができます。1歳の誕生日を迎えたら、できるだけ早めに麻疹ワクチンを受けられるように、スケジュールを組みましょう。保育所などで集団生活をしている場合は、感染の機会が多くなりますから、ワクチン接種を忘れないように心がけましょう。
具体的なことについては、乳児健康診査や一般診療の際に、かかりつけの主治医に相談しましょう。わかりやすく丁寧にご説明いたします。