よい睡眠をとるために

 「なかなか寝付けない」「眠った気がしない」等、日本では成人のおよそ5人に1人が不眠の悩みを抱えているといわれています。「睡眠は脳が積極的に取る休み時間」とされ、健康維持のための必要な要素となっています。

 長い時間をかけて進化してきた人間の体には、生命を維持するためのいろいろな工夫の結果、うまく寝るための【仕組み】が備わってきました。

 1つは疲れたから寝るという仕組み、もう1つは夜だから寝るという仕組みです。これには体内時計が関係しています。

 睡眠時間は人それぞれです。仕事や環境による違いもあるため、数字にこだわる必要はありません。一般に年を取るにつれて短くなります。

 眠りが浅いときは、むしろ「【遅】寝・朝起き」がお勧めです。カーテンを開け、朝日を浴びて目覚めると、体内時計正常化につながります。「寝だめ」は逆効果になりがちなので、休みの日もなるべく同じ時刻に起きましょう。

 寝酒は逆に寝付きを妨げることがあり、勧められません。睡眠改善薬(睡眠薬とは違うもの)が市販されていますが、正しく使えば効果的です。規則正しい睡眠は生活習慣病の改善にもつながります。

 昼間に眠くなったら、昼寝をするのも良い方法ですが、およそ15時までとし、30分以内にしましょう。寝過ぎるとかえってぼうっとしてしまいます。ただし、昼間に眠気が強すぎる場合には、いろいろな病気が原因のこともあります。気になる場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。