加齢黄斑変性

黄斑は網膜の中でも視力をつかさどる重要な細胞が集中している部位です。加齢によりこの黄斑に障害が生じる疾患を加齢黄斑変性といいます。先進国では失明の主原因となっており、日本でも増加の一途をたどっています。以前は治療法がなかったのですが、最近いくつかの新しい治療法が登場し、早期発見である程度の視力の維持ができるようになりました。

分類

大きく分けると①萎縮[いしゅく]型(ドライタイプ)と②滲出[しんしゅつ]型(ウエットタイプ)の2種類があります。

①萎縮型進行が緩やかで視力はあまり悪くなりませんが、滲出型に移行することもあるので定期検査が必要です。
②滲出型進行が早く、急激に視力が低下していきます。

症状

①変視症中心部がゆがんで見えます(周辺部は正しく見えます)。
②中心時点見ているものの中心が欠けて、見たい部分が黒くなって見えます。
③視力低下見たいものがはっきりと見えません。

治療

①萎縮型の加齢黄斑変性現在のところ治療法はありません。
②滲出型の加齢黄斑変性光線力学療法(PDT)といって、光に反応する薬剤を体内に注射しレーザーを病変に照射する方法と、薬物治療〔新生血管を連綿させる薬を目の中(硝子体腔[しょうしたいこう])に4週あるいは6週ごとに注射する方法〕があります。光線力学療法は1回で終了するとは限らず、3カ月ごとに詳しい検査を行い、再治療が必要かどうかを決定します。

予防

①禁煙 
②サプリメント目に良いビタミンやミネラルを配合したものが発売されていますので、眼科医にご相談ください。片方の目に加齢黄斑変性が発症した人(こは特にサプリメントの内服をお勧めします。
③食事抗酸化ビタミン(ビタミンA・C・E)、ルテイン(ケール・ホウレンソウ・パセリ・レタス・ブロッコリー等)、ゼアキサンチン(パプリカ・柿・トウモロコシ・オレンジ等)などは、目に良い食べ物といえます。

片目に病気があれば、もう片方の目も発症している可能性がありますので、両目の検査を受けましょう。