■食物アレルギーとは
食物によって人の体にじんましん・湿疹・下痢・アナフィラキシー(吐き気、ぜんそく、呼吸困難、血圧低下、意識障害や命を落とすこともある全身性の重症のアレルギー反応)などの異常な症状を引き起こすことがあります。このような症状の中で免疫の働きが関与する場合を食物アレルギーといいます。
■アレルギーはどのようにして起こるの
人の体には異常を排除する免疫の仕組みがあります。アレルギーになりやすい体質の人は食物を異物としてみなし、これを排除するために過剰な免疫が働きます。食物を摂取後1~2時間以内で発症する即時型アレルギーと、2時間以降に発症する非即時型アレルギーがあります。即時型アレルギーでは、異物である食物抗原に対して体の中でIge抗体という物質が作られます。これを感作(かんさ)といいます。さらにその食物を繰り返し摂取することで抗体が働いてアレルギーが発症します。即時型には、アナフィラキシー・急性じんましん・口腔アレルギー症候群などがあります。非即時型アレルギーには血液中のリンパ球などの細胞による免疫が関与して発症します。非即時型にはアレルギー性胃腸炎などがあり、両者が混合したものにアトピー性皮膚炎があります。
■さまざまな食物アレルギー
このような感作は、食物を口から摂取する場合だけでなく、口の中の粘膜や皮膚に触れた場合や、気道から吸い込むことで起きることもあります。
魚介類などを素手で扱ったり、食品の混入したせっけんやボディローションを使用したりして皮膚に触れたり、畑や工場などで小麦の粉を吸い込んだ際などにアレルギーが発症することもあります。