認知症高齢者は460万人以上いるとの推計が2012年に厚生労働省から出されました。65歳以上の高齢者の4人に1人は認知症又はその予備軍と考えられており、今後その数が増加していくことは確実です。今のところ根本的な治療法はないので、認知症になり難くすることと認知症の人も生活しやすい街を作っていくことが重要です。
認知症を「完全に予防する」方法はありませんが、「なり難くする」方法は分かってきています。まずは「認知症になり難い生活習慣を送ること」です。具体的には「バランスの良い食生活」「規則正しい生活」「過度な飲酒と喫煙を避けること」「継続的な運動」です。糖尿病や高血圧等の生活習慣病は認知症と深く関係しており、それらの予防・治療は認知症予防に繋がります。もう一つは、「楽しみながら頭を使い続けること」です。積極的に外出して多くの人・物に出会うことや、趣味を通じて新しい知識を得ること等は認知症予防に効果的とされています。
認知症になり難くする努力は個人がするべきことですが、「認知症になっても暮らしやすい街づくり」は市民みんなが協力して行うことです。記憶の障害や判断力の低下があったとしても、ほとんどの認知症の方は自分の意思と感情を持った一人の人間です。その様な認知症高齢者を市民の一員として受け入れ、共に生活をしていく住民と捉えるよう、私たちの意識改革が必要です。認知症高齢者を受け入れることができた社会は、認知症の方だけでなくすべての人が受け入れられ、安心して生活できる社会になるはずです。そのような街づくりには、医療に関する正しい知識が不可欠と考え、松戸市医師会と教育委員会が協力した「まちっこプロジェクト」と名付けた健康教育授業が始まっています。今年度は「いのちの尊さ」と「認知症」について授業を行いました。下記日程で「まちっこプロジェクト」報告会があります。「医師が行う健康教育ってどんなもの?」と興味を持たれた方は、ぜひご来場ください。
- 日程:3月27日(日)
- 会場:市民会館
- 内容:12時~13時30分=医療・介護団体による活動案内、13時30分~15時30分=まちっこプロジェクト報告会
- 定員:先着1,000人
- 費用:無料
- 申込:当日会場で