乳がんについて
わが国では、2017年の1年間に乳がんとなった女性はおよそ90,000人といわれています。女性にとっては最も罹患率が高いがんであり、現在日本の女性の12人に1人は乳がんを発症すると言われるほどです。乳がんは30歳代から増加しはじめ、40歳代後半から50歳代前半にピークを迎えます。すなわち、妊娠・出産・子育て世代を直撃することになるのです。
症状について
乳がん検診を受けてはじめて乳がんが発見される場合もありますが、自分で症状に気付く場合の方が多いのです。自分で気付く症状としては、以下のようなものがあります。思い当たるものがある場合は念のために早めに専門医に診てもらいましょう。
(1)乳房のしこり
外側から撫でるようにしていくと、しこりがわかるようになることがあります。乳房を掴むようにすると乳腺組織自体をしこりと勘違いしてしまうため注意が必要です。
(2)乳房のエクボなど皮膚の変化
乳がんが乳房の皮膚の近くに達すると、エクボのようなひきつれができたり、乳頭や乳輪部分にただれができたり、時には皮膚がむくんだように赤くなったりします。乳頭の先から血の混じった分泌液が出ることもあります。痛み、むくみや腫れといった症状は乳がん以外の病気、例えば細菌感染が原因の乳腺炎や蜂窩織炎(ほうかしきえん)などでも起こることがあるので、詳しい検査をして乳がんであるかどうか調べる必要があります。
(3)脇の下のリンパ節の腫れ
乳がんはわきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)に転移することがあります。わきの下などにしこりができたり、症状が進むと腕がむくんできたりすることがあります。
乳がん検診について
乳がんは早期発見・早期治療でその多くが治すことができますので症状が何もなくても乳がん検診は受けるようにしましょう。その検診方法は今までは触診とマンモグラフィーが主な方法でしたが、触診だけではわからない乳がんがあったり、乳腺の密度が濃い30歳代や40歳代の女性や授乳中などの場合、マンモグラフィーでは乳がんが判別しづらいことがあります。超音波検査では、乳腺の密度に関係なく乳がんがみつけられるのと、放射線を使わないので妊娠中でも検査ができるという利点があります。それぞれに利点と欠点があり、年齢や状況などによって使い分けたり、両方を行ったりしています。
マンモグラフィー検査
マンモグラフィーは、乳房を片方ずつ、X線フィルムを入れた台と透明なプラスチックの板で挟んで、乳房を平らにして撮影する放射線の検査です。圧迫により乳房内部の様子を鮮明に写し出すことができますが、圧迫の際に痛みを伴うことがあります。生理前の1週間を避けると痛みが少ないようです。乳房の大小にかかわらず撮影は可能です。マンモグラフィーにより視触診ではわからない早期がんの発見が可能となりましたが、閉経前の乳腺の発達している方や授乳中の方は乳腺とがんの判別が難しいことと、放射線検査のため妊娠中の方には基本的には行うことができないという制約があります。
超音波検査
乳房に超音波器を当てて、跳ね返ってくる音波を画像にして行う検査です。乳腺が発達した比較的若い女性や妊娠中・授乳中の方にも有効な検査です。乳房を強く圧迫することがないので、痛みはほとんど感じません。超音波検査では乳腺は白く、がんは黒く描出されるので乳がんの検出にすぐれています。しかし、しこりを作らないような乳がんの描出は難しいことがあります。
検査の補助について
松戸市に在住されている方は年齢によって乳がん検診の補助対象となります。35歳から39歳までの方と41歳からは奇数年齢の方が超音波検査の補助対象になり、40歳から50歳までの偶数年齢の方と50歳から69歳までの方はマンモグラフィー検査の補助対象になります。
詳しくは松戸市のホームページをご覧ください。
https://www.city.matsudo.chiba.jp/iryoutoshi/healthcare/kensin_osirase/nyu-gan.html