自分の精神状態がいまどのような状態にあるのか、それを客観的にとらえることは口で言うほど容易なことではありません。 そこで医師たちは、これまで精神状態を分析する手がかりとして、問診だけでなく、さまざまな方法によって、受診者の心の状態を調べる工夫を考案しています。
その手段には多くの方法がありますが、ここで心療内科などでよく利用されている1つの例を示してみます。質問紙法による心理テストの1例で、質問項目も少なく、短時間にチェックのできる外来での「うつ」のスクリーニング用に開発されたものです。
質問項目は12問から成っていて、得点計算は「いいえ」が0点、「はい」の場合、ときどき1点、しばしば2点、つねに3点とします。
スコアが10点以下の場合はほとんど問題がなく、11~15点が境界型、16点以上は軽いうつ傾向が疑われることになります。
■ 質問
- 体がだるく疲れやすいですか。
- 最近、気が沈んだり気が重くなることがありますか。
- 朝のうち特に無気力ですか。
- くびすじや肩がこって仕方がないですか。
- 眠れないで朝早く目覚めることがありますか。
- 食事がすすまず味がないですか。
- 息がつまって胸苦しくなることがありますか。
- のどの奥に物がつかえている感じがしますか。
- 自分の人生がつまらなく感じますか。
- 仕事の効率があがらず何をするのも億劫ですか。
- 以前にも現在と似た症状がありましたか。
- 本来は仕事熱心で几帳面ですか。
これをSRQ-D (Self-Rating Questionnaire for Depression)質問紙法による自己診断用抑うつ尺度といいます(東邦大学医学部心療内科方式による)。
しかし、かりにこのSRQ-D が高得点であったとしても、かならずしもそれだけで「うつ」と診断するわけではありませんが、「うつ」の指針にはなります。
いかがでしたか。点数は何点でしたか。