50代女性Aさん、Bさん。最近朝の両手のこわばりや、ふしぶしの痛みを感じています。
しかし、我慢できない痛みではなく、日常生活に特に支障がありません。
近所の同世代の女性から「手のこわばりはリウマチの始まりだと、テレビで言っていたわよ」と言われ、2人で病院へ行き、血液検査を受けました。2人とも特に異常なしとの結果だったので、そのまま様子を見ることにしました。
同じ症状でスタートしたAさん、Bさん。2年後にはまったく違う症状になりました。
Aさんは未だに手のこわばりや、節々の軽い痛みは続いていますが、日常生活は支障なくこなせます。一方、Bさんはこの2年間で、朝の手のこわばりが少し長く続くようになりました。
また、痛みを感じる関節の数も増えてきましたが、病院を受診せずに様子を見ていました。
しかし、痛みは続き、指や手首が腫れてきたため、再度、病院を受診。血液検査は相変わらず異常がありませんが、指、手首で関節の変形があり、関節リウマチと診断され、薬による治療が開始されました。
このAさん、Bさんのエピソードのように、早期の関節リウマチと女性ホルモンの変化する更年期に伴う関節痛は、症状がよく似ており、両者とも血液検査で異常がないことも多く、鑑別困難な場合がよくあります。ほとんどの場合は関節リウマチではないのですが、関節リウマチでは、多くのケースで薬による治療が必要となります。
現在では治療法の進歩により、発症早期(1~2年)に適切な抗リウマチ薬を使用することで、病気の進行を止め、治療することも可能となってきました。
このように早期診断、早期治療が重要です。また、関節の痛みは関節リウマチだけでなく、いろいろな病気の1症状として出現することもあるため、関節の腫れが続く場合は、早めにかかりつけ医にご相談ください。
また、必要があれば専門医の診察を受けることも大切です。