◆早朝高血圧にご用心
心臓突然死・狭心症・心筋梗塞・脳卒中発作は、朝方に発症しやすいことが知られています。ことに朝6時ごろから急激に増加し、9時ごろにピークを示しています。
これは、モーニングサージと呼ばれる、早朝の一過性の血圧上昇が一因と考えられています。睡眠から目覚めると、交感神経(内臓を調節する自律神経)が活発になり、血圧を上げるホルモンが増えます。
その結果血圧が上がり、脈拍数も増えます。また、早朝は夜間水分の補給がないため、心臓に入る血液の量が少なく、粘っこい、固まりやすい血液が流れています。このため、この時間帯には心臓病や脳卒中が発症しやすいのです。
心臓病や脳卒中の発症を予防するためにも、早朝の血圧に気を付け、目覚めてからすぐ過激な運動をすることは控えましょう。
◆家庭で血圧測定をしましょう
病院などで血圧を測ると緊張感から家庭での血圧より高くなることがあります。またその逆に、早朝高血圧など家庭での血圧のほうが高くなっていることもあります。家庭で血圧計を使って測る「家庭血圧」は、日ごろの血圧レベルを知る手がかりになります。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2004」では、家庭血圧が収縮期135mmHg以上または拡張期85mmHg以上であれば高血圧としています。また、高血圧の2人に1人は早朝高血圧を示すと言われており、早朝の家庭血圧の測定も必要なのです。
降圧剤を内服している人では、血圧の日内変動を調べることにより、薬の効果を知り、うまく血圧をコントロールすることができるのです。できれば1日2回、家庭での血圧を測り、その数値を記録して、主治医の先生にお知らせください。
◆家庭での血圧測定のポイント
家庭用血圧計はカフ(腕帯)を上腕に巻きつけるタイプが比較的正確に血圧を測定でき、お勧めです。測定は起床後1時間以内で朝食前、および就眠前の2回、1~2分間座って安静にし、腕を机などの上に乗せて測定しましょう。
その際カフの空気は完全に抜き、肘の少し上に、カフを指が1本入る程度に巻き、カフを心臓と同じくらいの高さにして測定しましょう。できれば血圧と同時に脈拍の測定値も記録しておきましょう。正しい測定法をマスターして、高血圧を「自分で治す」という意識をもって管理していきましょう。