糖尿病とHbAlc(ヘモグロビンAlc)

■HbAlc(ヘモグロビンAlc)とは

 赤血球の中にはヘモグロビンというタンパク質があり、ヘモグロビンには酸素と結合する性質があり、これにより全身に酸素を運搬することができます。また、ヘモグロビンは血糖とも結合する性質があります。HbAlcは、ヘモグロビン全体の何%が血糖と結合しているかを示した値で、%の単位で表記します。

■HbAlc値から何がわかるのでしょうか

 日々の血糖値は食事やその他の影響で刻々と変化していますが、HbAlcは最近3カ月間の血糖の平均的な高さを表していると考えられています。血糖が正常で健康な人では、HbAlcの値5%台前半またはそれ以下です。ある糖尿病患者さんのHbAlcが10%だとすると、これは5%の2倍になりますから、この人の最近3カ月間の血糖は正常の2倍程度の高さだったと判断できるわけです。

■HbAlc値にも限界があります

 HbAlc値は血糖の平均をおおまかに知ることができ、糖尿病の診断や治療の評価に利用されていますが、限界もあります。日々の血糖値の変動幅が大きい人とそうでない人で血糖の平均レベルが同じだと、HbAlc値は同じになってしまいます。最近ではHbAlc値が同じでも、日々の血糖変動が激しい人は心臓・血管合併症や低血糖を起こしやすいのではないかと考えられています。また、貧血がある人もヘモグロビンが少ないためHbAlc値を正確に評価できません。

■HbAlc測定値が変わります

 HbAlc値(HbAlcJDS値)はこれまで日本独自のJDS法で測定してきましたが、日本糖尿病学会の取り決めで2年後をめどにNGSP法で測定した国際標準値(HbAlcNGSP値)で表記することになりました。これにより海外のHbAlc直と直接比較できるようになります。これまで使用していた値(HbAlcJDS値)におおよそ0.4%を足した値になっています。
平成24年4月1日からしばらくの間は双方の数値(HbAlcNGSP値とHbAlcJDS値)を併記することになりました。特定健診や保健指導においては平成25年3月31日まで今までのHbAlcJDS値を用いますのでご注意ください。