食物アレルギーの救急時の対応

 食物アレルギーは、症状の重症度により、グレード1〜3に分けられています。
 グレード1では、部分的なじんましん、唇やまぶたの腫れ、鼻汁、鼻閉があり、アレルギー症状としては軽症ですが、症状が進行する可能性もありますので、最低1時間は症状を観察するようにしましょう。ただし、過去にアナフィラキシーショックを経験している人は、症状の軽重にかかわらず、速やかに医療機関を受診しましょう。
 グレード2では、じんましんが広範囲に見られ、それに伴いかゆみが強くなったり、咳がひどくなったりします。全身的にも明らかに元気がないなどの症状が見られたら、医療機関へ搬送すべきです。必要に応じて救急車を要請しましょう。
 グレード3は、いわゆるアナフィラキシーショックもしくはそれに近い状態です。さまざまな症状(呼吸困難、腹痛、繰り返す嘔吐など)が強く起こり、全身状態も悪化します。すぐに救急車を呼ぶと同時に、エピペンが手元にあれば速やかに注射をしましょう。この段階では、即効性のあるエピペンが、症状改善を期待できる唯一の薬剤といえます。
 エピペンとは、アナフィラキシーの補助治療薬で、アナフィラキシーの兆候を感じたときに自己注射しますが、注射後は必ず医師の診療を受けてください。注射の方法など、詳しくは担当医とご相談ください。  

救急車要請(119番通報)のポイント

  1. 「救急です」「食物アレルギーによるアナフィラキシー患者の搬送依頼です」と告げましょう。
  2. 「いつ、どこで、だれが、どうして、現在どのような状態か」を説明しましょう。どのような状態かというのは、全身じんましんやぜん息のような呼吸音があるなど、アナフィラキシーの症状のことです。
  3. 連絡した人の氏名・所在地・連絡先・近くの目標になるものを伝えましょう。
  4. 救急車が来るまでの応急手当の方法を聞きましょう。