もうウイルス性肝炎の検査は受けましたか

 ウイルス性肝炎とは、A・B・C・D・E型などの肝炎ウイルスの感染によって起きる肝臓の病気です。A型・E型肝炎ウイルスは、主に食べ物を介して感染し、B型・C型・D型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。
 中でもB型・C型肝炎ウイルスについては、感染すると慢性の肝臓病を引き起こす原因ともなります。肝炎ウイルスに感染すると、全身倦怠(けんたい)感や、食欲不振、黄疸(おうだん)や肝臓の腫大(しゅだい)等の症状が現れますが、自覚症状がないまま経過し、感染に気が付かないことも多く(肝臓の中に肝炎ウイルスが住みついている状態:肝炎ウイルスキャリア)、適切な治療をせずに放置した場合、肝硬変から肝がんに進行するといわれています。肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、肝炎ウイルスの検査(血液検査)で分かります。
 特に

  1. 1992年(平成4年)以前に輸血を受けたことがある人
  2. 長期的、血液透析を受けている人
  3. 非加熱凝固因子製剤や1994年以前にフィブリノゲン製剤(フィブリン糊使用含む)の投与を受けたことがある人または可能性がある人
  4. 臓器移植を受けたことがある人
  5. 過去の肝機能異常を指摘されたことがある人(AST(GOT)・ALT(GPT)が要指導判定)
  6. その他、医師が認めた人

は、松戸市では保健所、保険医療機関(特に県や市との委託)、会社の生活習慣病予防検診(政府管掌健康保険)等でB型・C型肝炎ウイルスの検査を受けることができます。
 近年C型慢性肝炎ではインターフェロン(直接作用型抗ウイルス薬(DAA))治療のほかに新しいDAAの内服のみ(1b型高ウイルス量に限る)など肝炎の完治につながる治療法も開発されてきています。B型慢性肝炎では耐性株の出にくい核酸アナログ製剤も治療に使われています。肝炎についての理解を深めるとともに、ご自身の状態を知るために、これまで肝炎ウイルス検査を受けたことがない人は、必ず一度は受けるようにしましょう。また完治しても定期的な経過観察(採血、画像診断)を受けましょう。松戸市には肝炎治療に積極的に取り組んでいる医療機関もあります。かかりつけの医師にご相談ください。