高齢者の熱中症に注意を!~落とし穴に気を付けて~

 夏の気温は昔に比べて高くなっています。熱帯夜も増えており、家で過ごすことの多い高齢者は特に注意が必要です。屋外スポーツによる熱中症は若い世代に多く、対応も早いため治療による回復が早いのに対して、室内で起こる熱中症は高齢者に多く、対応が遅れることで重症化しやすい傾向があります。入院が必要になる重症例の4割は室内で起こっています。高齢者の熱中症には、いくつかの落とし穴が潜んでいます。

①熱中症になっていると気が付かない!

 めまい・立ちくらみ・気分が悪い・足がつるなどの初期症状は、暑さによる疲れや夏風邪と思って見過ごされがちです。自宅で一人でいることが多いと、体調の変化に気付かないこともあります。そのまま悪化すると、入院が必要なほどの重症になります。

【対策】
体調が悪くなったら、涼しい場所に移動して水分補給を!それでも体調が優れないときは、家族・知人等に連絡してください。危険を感じたときは救急車を呼ぶことも必要です。

②喉の渇きを感じにくい!

 高齢になると喉の渇きや暑さを感じにくくなります。心臓の負担を考えて水分をなるべく取らないようにしている人や、夜中のトイレが心配で寝る前の水分補給を避ける人も多く見られます。

【対策】
水やお茶などでこまめに水分補給をしましょう。入浴前後・寝る前・起床時にも水分を取りましょう。

③エアコンが嫌い!

 特に女性はエアコン(クーラー)が嫌いな人が多く、室内の温度が高いままになっていることがあります。「昔はエアコンがなくても平気だった」「窓を開けていれば風が通るから大丈夫」と言う方もいますが、残念ながら日本の気候は昔と大きく変わってしまいました。自宅の室内環境も年々変化しています。

【対策】
エアコンや扇風機などを上手に使ってください。自分の感覚に頼らず、温度計などを見ながら室内を涼しく保ちましょう。

熱中症は迅速に対処することで重症化が防げます。体調が悪いときは、遠慮せず近くの人に相談しましょう。市民の皆さんも、暑いときにしゃがみこんでいたり、ふらついたりしている高齢者がいたら、熱中症を疑って声を掛けてあげてください。