抗血栓薬(血液サラサラの薬)を内服していると、胃がん内視鏡検診を受けられないのはなぜ?
抗血栓薬を内服していると、内視鏡が接触するだけで容易に出血したり、血が止まりにくくなる可能性があります。また、そのような事態を防ぐために、薬を中止し水分を制限して内視鏡検査を行うと、血液が濃縮して血栓を形成しやすくなり、持病の脳梗塞や心筋梗塞が再発する可能性があります。最近の知見では、抗血栓薬を中止するよりも内服を継続したまま内視鏡検査や生検などを行う方がいいとする流れもありますが、安全を第一と考え、抗血栓薬を内服している場合は、松戸市胃がん内視鏡検診を受けることはできません。なお、抗血栓薬を内服している方で内視鏡検査が必要な場合は、保険診療で内視鏡検査を行い、抗血栓薬を継続するか中止するか、検査を行う医療機関で個別にご相談ください。
胃内視鏡検査は、麻酔は使ってもらえますか?
内視鏡検査の苦痛や不安を軽減する目的で、鎮静剤や鎮痛剤の静脈注射を併用して検査が行われる場合があります。この医療行為は、多くの医療機関で慣例的に広く行われていますが、呼吸抑制や血圧低下などの重篤な偶発症(*)に起因する副作用が報告されています。そのため、松戸市胃がん内視鏡検診では、安全を第一と考え、鎮静剤併用の内視鏡検診は受けられません。なお、近年行われれている細径スコープによる経鼻内視鏡検査は、画質も向上し経口内視鏡検査よりも嘔吐反射が誘発されにくくなっています。従来鎮静剤を併用して経口内視鏡検査を受けられている方でも、経鼻内視鏡検査であれば比較的楽に検査が受けられますので、ぜひお試しください。それでも鎮静剤併用による内視鏡検査をご希望の場合は、十分な呼吸循環管理の監視が可能な医療機関で行うことをお勧めします。
*偶発症…医療上の検査や治療によって生じる有害事象のこと