薬の副作用について考えてみましょう

 薬には「主作用」と「副作用」があります。内服した薬の成分は体内に入ってさまざまな作用を発揮しますが、症状に対して効果をもたらすことを目的にしたものが「主作用」で、それ以外に影響する作用が「副作用」です。

 薬を内服する際に、まず何よりも副作用を心配される人も多いようです。副作用のある薬は良くない薬、強い薬だからと思って自己判断で内服を中止してしまう人も多くみられます。医師は患者さんの症状や困っていることを改善する目的で必要な薬を処方しますが、残念ながら副作用が全くない薬はありません。例えば高血圧の治療に使われる降圧薬は「血圧を下げる」のが治療の目的であり主作用ですが、目標を超えて下がり過ぎればふらつきや転倒などを起こすこともあります。また、血圧の下がり過ぎとは別に、肝障害・腎障害・胃腸障害などの他の臓器への副作用も報告されています。

 副作用をなるべく抑えて効果をしっかりもたらすために大切なことは、処方する医師や薬剤師と治療を受ける患者さんが、内服薬の効果と副作用の情報を、共有することです。また、指示された用法・用量をしっかり守って内服することも大切です。むやみに副作用を怖がるのではなく、患者さん自身もその薬の必要性や起こりうる副作用についてよく知っておき、副作用が起こっても大きな問題に至らないうちに気付けるようにしておきましょう。

 薬を飲んで副作用が疑われる症状が現れたら、早めに医師や薬剤師に相談してください。