貧血の検査

 体を循環している血液のヘモグロビン濃度(血色素量濃度)が低下した状態を「貧血」と言います。赤血球に含まれるヘモグロビンによって体中に酸素を運搬しているため、そのヘモグロビンが減ってくると必要な酸素の供給が不足し、いろいろな症状が出ます。疲れやすい、頭痛、動悸、息切れなどが代表的な症状ですが、貧血がゆっくり進んだ場合は自覚症状がないことが多く、注意が必要です。

 では、貧血の検査について考えてみましょう。一般的には血液検査で赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値を調べます。貧血の90%以上は「鉄欠乏性貧血」という、体内の鉄が不足して赤血球の中に含まれるヘモグロビンが作れなくなることによって起こる貧血です。それ以外にも血液の腫瘍と考えられる「白血病」、赤血球・白血球・血小板などの血液成分が全て減ってしまう「再生不良性貧血」、赤血球の破壊が進む「溶血性貧血」、膠原病こうげんびょうや悪性腫瘍に伴ってみられる「二次性貧血」などがあります。血液検査で貧血が認められた場合は消化器疾患や婦人科疾患などが原因になっている場合も多く、必要に応じて精密検査が必要になります。

 貧血の原因が大きな病気ではないことが分かったら、食事や運動などの生活改善を考えていきましょう。食事はビタミン・タンパク質・鉄分などが不足しないようにバランス良く摂取しましょう。日々の運動も大切です。貧血の症状が続いたときや健康診断で貧血を指摘されたときは、早めにかかりつけ医に相談してください。