松戸市医師会の入会案内ページを訪れていただき、ありがとうございます。当会への入会を検討している先生へのメッセージをお伝えさせていただきます。松戸市医師会は、400名超の会員から構成されています。これは、松戸市立総合医療センターや千葉西総合病院の常勤医師数を大きく上回る医師数だとも言えます。松戸市医師会では、つねづね“地域を一つの病院”だという考え方を推奨、強調しています。その趣旨や内容について説明させていただきます。
1. 助け合い、診療内容を補完しあえる仲間を持つ
高齢化もあり、多疾病を併存している患者さんが確実に増えています。大病院かかりつけの患者さんが、3つとか、4つの診療科を併診している場合も少なくないでしょう。たとえば、糖尿病患者さんは、内科、眼科、そして、歯科を定期的に受診する必要があります。もちろん、診療所で診療する場合でも同様です。つまり、一人の患者さんについて、必要となる診療を自医療機関で完結することは容易でない時代だと言えます。このようなときに、同じ地区の医師会員という関係性をベースに、患者紹介を通じてお互いの人となりや得意分野などを含む人脈を強化することにつながることが期待されます。
病院に勤務していれば、医局や院内の廊下、職員食堂などの場で、機会を捉えて他科の医師に相談することができるでしょう。そのありがたさを経験したことは誰しもあるものと思います。開業後には、医師会の人脈や交流機会が類似の機能を果たすことができると思います。
2. 多職種との協働が医師を助ける
多職種協働については、特に在宅医療分野やリハビリテーション分野において、その重要性が強調されてきました。要介護認定を受けている患者について、医療専門職(訪問看護師やリハビリテーション専門職)やケアマネジャーと連携することを思い浮かべるでしょう。ただし、在宅医療分野においてのみ多職種協働が必要だというわけではありません。たとえば、他医療機関の管理栄養士と連携する形で外来患者に外来栄養食事指導を実施してもらうことは、糖尿病のみならずさまざまな病態で有効でしょう。また、薬局の薬剤師に服薬に関する情報提供や訪問薬剤管理指導を依頼することにより、服薬アドヒアランスの改善が期待されます。心不全などの慢性疾患急性増悪の早期発見や認知症BPSD対応などへの目配せとして外来患者に訪問看護を活用することも効果的です。このように、外来診療でも多職種と協働することによって、患者に必要な指導や助言の要点が定まることで、診療の内容を高め、医師が本来業務に専念できる素地となるでしょう。松戸市医師会は、歯科医師会や薬剤師会はもちろん、訪問看護連絡協議会や介護支援専門員協議会などとの関係性をとても重視してきた経緯があります。
3. 医師会共同利用施設を有効活用する
さらに、医師会員として医師会共同利用施設を有効活用するという点も重要です。医師会立の検体検査センターや健診センターなら、そのような存在について耳にしたことがあるかと思います。松戸市医師会の場合、BML、松戸市、松戸市医師会の出資による第三セクターとして設立された検査センターである松戸メディカルラボラトリーがあります。そしてもう一つ、松戸市の在宅医療・介護連携推進事業の委託に基づき医師会の一部門として設立した松戸市在宅医療・介護連携支援センターがあります。このセンターに配置している保健師や看護師、管理栄養士などの専門職が、松戸市医師会員からの依頼に基づき、保健指導や医師の専門外の領域について、医師への助言を担う役割も果たしています。いずれの共同利用施設も、医師会員の先生方には有効活用していただくことができます。
4. 公衆衛生業務や地域活動に参画する
特定健診やがん検診、乳幼児健診や予防接種などを、市からの委託を受ける形で会員医療機関が実施しています。また、医師会から推薦する形で従事する報酬が発生する地域活動業務として、学校医や保育園等の嘱託医、介護認定審査会委員、心臓検診や腎臓検診など学校健診、松戸市夜間小児急病センター、肺がん検診二次読影など、さまざまなものがあります。そのほかにも、警察協力医、地域の災害対策や学校健康教育(禁煙教育・性教育・がん教育など)への参画、市や県が設置する公的会議体委員なども、医師会を通じて取り組んでいただく地域活動と言えます。なお、休日当番医は、市からの委託により会員医療機関が輪番で日曜・祝日の一次救急診療に対応する枠組みです。夜間小児急病センターも、会員医師が輪番で出務する形で365日にわたり夜間の小児一次救急診療を堅持しています。
病院に勤めていると、各種委員会の委員等を業務として担当することがあるでしょうし、実情に応じて当直業務その他も分担するものと思います。上述の公衆衛生業務や地域活動には楽ではないものもありますが、これらの活動等に参画することにより、住民や行政、他機関に自分のことを知ってもらい、地域に根を下ろしていく医師、医療機関としての信頼を勝ち得ていくことにつながると前向きに捉えていただけたらと思います。
5. 地域ぐるみでなければ取り組めない活動に関わる
たとえば、妊産婦メンタルヘルスケアについて、産科や精神科、小児科、行政が協力して支援に取り組む体制づくりの必要性が叫ばれています。また、発達障害を有する不登校児童の支援には、小児科医、精神科医、学校、地域保健の協力体構築が今後求められるでしょう。在宅医療は、介護分野を含む医療介護従事者との連携体制構築が重要になります。このように、地域に根ざした医師の活動にご参画いただくことも、医師会という枠組みを活用することによって、取り組みやすくなるものと思います。
以上、 “地域を一つの病院”とみなすという考え方をお伝えさせていただきました。開業にあたり、自院の性質や診療姿勢、地域へのコミットメントなどを練るにあたり、参考になりましたら幸いです。
なお、高齢や健康、ご家庭等の諸事情により、非開業でも地域の公衆衛生の一翼を担う形で活躍していただいている会員医師もおられます。週3日だけ開業して、残りの時間を他の仕事や趣味などのプライベートに投入している先生もおられます。このように、非開業や“半開業”というあり方を含め、地域で医師として役割を果たすことができる可能性や余地はさまざまあります。松戸市医師会は、新規ご入会の先生をバックアップさせていただきます。ご入会をお待ちしております。
松戸市医師会では会員専用ページを設けております。
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