松戸市医師会のホームページへようこそ。せっかくですので、松戸市の医療、そして、松戸市医師会についてご説明させていただきます。

　松戸市は子育てにとても熱心な自治体で、各種ランキングでも高く評価されています。医療面においても、松戸市立総合医療センターの小児科が3次救急や高度医療などの領域で東葛北部圏域の中心的な役割を担っています。
　重篤な病気の対応が最も重要であることは言わずもがなですが、その部分さえ整っていればすべて安心というわけではありません。ご存じのとおり、こどもの病気の大半は軽症です。たくさんの受診患者さんの中から、高次医療につなぐべき重症の患者さんを見つけ出し、遅れることなくつなぐ必要があります。重症ではないお子さんには、症状対応と安心を提供します。そのような「一次診療」を、市内の小児科のクリニックと松戸市医師会が運営する「松戸市夜間小児急病センター」が日中と夜間についてそれぞれ担い、高度医療を大きな病院が担うという流れを整えています。

　一方、高血圧、糖尿病、狭心症、こころの病気など、複数の病気を持っている青壮年や高齢者が増えています。大きな病院の複数の専門診療科を渡り歩く形や、複数の医療機関を受診している方もおられると思います。しかし、処方さえもらっていれば、あとは健康について自己管理できるとは言い切れません。慢性の病気をわずらっていると、長い経過の中で制約や注意を要する点がだんだん増えていくでしょう。本当は、各専門医に診てもらっている病気単独ではなく、併存する他の病気との関係を含め、患者さんの全貌を把握した上での診療が必要になる場合も生じるでしょう。しかし、大きな病院の場合、限られた診療時間の中で丁寧な個別対応までは難しいかもしれません。

　整形外科疾患や目の病気、認知症などをわずらうと、通院することも楽ではなくなります。脳神経の病気などでは、後遺障害や病状進行のために介護が必要になるかもしれません。内臓の病気でも、その病状の進展によっては、移動の負担やリスクが大きくなる場合があります。さらに、進行がんはもちろん、その他の病気でも、いのちに関わる病状に陥ることもあり得ます。このような場合に、医師が自宅を訪問するのが在宅医療です。松戸市は以前から在宅医療が充実している地域として全国的にも知られています。松戸市から事業委託を受けて松戸市医師会が設置している「松戸市在宅医療・介護連携支援センター」は、全国に誇れる優れた地域活動を実践していると自負しています。

　病状に加えて、一人一人の患者さんの個性や希望、ご家庭の事情をも考慮した上で、狭義の治療だけでなく、生活面を含め、総合的にアドバイスしてくれる医師を持つことをおすすめします。さらに、いのちに関わるような重大な病気をわずらった場合において、どのような対応や医療の選択をするべきかについて、戸惑うこともあるでしょう。そんな時のために、日頃から自分のことを理解してくれている医師をかかりつけとして持っておき、必要に応じて助言を得ることができればとても心強いと思います。市民のみなさまが、自分や家族にとって信頼できるかかりつけ医に出会えるお手伝いをこのホームページが果たせるように、今後とも工夫を重ねていく所存です。

　最後に、松戸市医師会の医師が担っている地域における役割について、ご紹介させていただきます。たとえば、学校医という役目や学校健診、健診や各種がん検診、予防接種などは、医師が地域において担っている重要な役割であり、市民のみなさまにもなじみがあるものと思います。加えて、大災害が発生した場合の医療対策について、松戸市と協力して継続的に検討や備えに取り組んでいます。
　また、市民のみなさまを対象とする公開講座なども、定期的に開催しています。ただ、市民向けの取り組みはそれだけではありません。松戸市医師会が松戸市と松戸市教育委員会に働きかけて、その三者が協力する形で、医師が市内の小中学校に出向いて健康啓発授業を行なう「まちっこプロジェクト」という活動に2015年度から継続して取り組んでいます。がんや認知症、感染症をテーマとする授業を用意していますが、このプロジェクトの最大の特徴は、医師が子どもたちに知識を伝達することだけが目的ではなく、「今日学んだことを周りの大人の人に教える」ことを子どもたちにお願いするという点にあります。子どもたちを通じて地域が健康になることを最終的な目標としている活動なのです。

　このように、医師会の医師は、日常の診療だけでなく、市から依頼される業務や事業への協力、医師会独自の地域貢献活動などにも積極的に取り組んでいる「頼りになる存在」だということを知っていただければと思います。松戸市が打ち出している「健康医療都市まつど」という看板に貢献するべく努力して参りますので、市民のみなさまのご理解とご支援をよろしくお願いします。