松戸市医師会
■ 予防接種のお知らせ

予防接種の上手な受け方

1.予防接種は何故受けるのでしょうか?

(予防接種の必要性)

私たちの体には病気から身を守る「免疫」という働きがあります。赤ちゃんはお母さんからこの「免疫」をもらって生まれてきますが、生後3~6ヶ月くらいになる頃にはいくつかの「免疫」の力が自然に失われてきます。この頃からは赤ちゃんは自分の力で「免疫」を作って行かなくてはなりません。そのために予防接種が必要になってきます。近頃はいろいろな病気が大流行したということがないため「予防接種を受けなくても良いのでは…」という少数の意見も有ります。しかし、多くの人が予防接種を受けているからこそ病気の流行をくいとめることができるのです。

また「たとえ病気にかかっても自力で治したほうが良い」との考え方もありますが、病気によっては重い後遺症を残したり、時には命にかかわることもあります。予防接種を受けることで様々な病気からお子さんの身を守ることができるのです。

2.どんな順序で予防接種を受けると良いのでしょうか?

(標準的接種時期・接種の順番)

国が定めている「定期予防接種」はポリオ・BCG・DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)・MR(麻疹・風疹)・日本脳炎の8種類です。

  • 生後3ヶ月を過ぎたらポリオ、BCG、DPTを受けることができます。
    BCGは生後6ヶ月になる前の日までに受けることが定められています。
    BCGを優先して受けるようにしましょう。
  • BCG接種が済んでから、DPTとポリオの接種を受けるようにしましょう。ポリオの集団接種の日程を考慮してDPT接種のスケジュールを組むようにすると良いでしょう。
  • 1歳から2歳になる前の日までの1年間にMRを受けられます。麻疹は症状が重くなる事があります。風疹は妊娠中のお母さんにうつると生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群という重い病気にかかることがあります。
    1歳のお誕生日を迎えたら、なるべく早くMRを受けるようにしましょう。
  • 3歳を過ぎると日本脳炎を受けられます。
  • 松戸市ではポリオのみが「集団接種」です。
    他の7種類は「個別接種」ですので、受託医療機関でお受けください。
  • BCGとMR以外の予防接種については、7歳6ヶ月になった日から予診票が使えなくなりますのでご注意下さい。
3.ひとつの予防接種とほかの予防接種との間隔はどのくらいあけるのでしょうか?

予防接種のワクチンには、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドの3種類があります。

  • 生ワクチンは生きた病原体の毒性を弱めたものです。病気にかかった場合と同様の状態で免疫を作ります。接種した病原体が体の中で増殖し、それに対する抗体ができます。充分な免疫を得るのに約1ヶ月かかります。
    ポリオ、BCG、麻疹、風疹がこれにあたります。
  • 不活化ワクチンは病原体を殺し、免疫に必要な成分をとり出したうえでさらに毒性をなくして作ったものです。何回も繰り返し接種することにより免疫を作ります。まず、一定の間隔で繰り返し接種します。約1年後に追加接種をすると基礎免疫ができます。しかし、だんだん抗体が目減りしてきますので適正な間隔で追加接種をすることが必要になります。
    百日咳、日本脳炎がこれにあたります。
  • トキソイドは細菌が産生する毒素を取り出して毒性をなくしたものです。基本的には不活化ワクチンと同じものと考えて良いでしょう。
    ジフテリア、破傷風がこれにあたります。
  • これらの特徴を踏まえたうえで次のような間隔で異なった種類のワクチンを接種するようにしましょう。

生ワクチンの後は→4週間以上あける
不活化ワクチン・トキソイドの後は→1週間以上あける

なお、具体的な接種のスケジュールについては「かかりつけのドクター」にご相談なさると良いでしょう。

4.予防接種の前後で注意することは?
  • 予防接種は体調の良い時に受けるようにしましょう。そのためには予防接種の前は特別な予定を組まないようにしましょう。
  • 予防接種の後も同様です。副作用の出易い時期(生ワクチンでは2~3週間、不活化ワクチンでは1~2日)が過ぎるまでは普段どおりの生活が良いでしょう。
  • 接種後1時間以上たって普段と変わりなければ入浴はさしつかえありません。体温を測定して平熱であることを確認して下さい。
    なお、当日の激しい運動は避けましょう。
5.予防接種の当日持参するものは?

「予診表」「母子手帳」を忘れずに持参しましょう。

  • 予診表は前日に記入できるところは書いておきましょう。
  • 予診表は予防接種の種類によって色分けされていますので間違いのないようにしましょう。予診表の欄外に接種を受けられる年齢が記載されていますので、こちらも必ず確認しておきましょう。
  • 当日は、お子さんの日ごろの健康状態を良く知っている保護者がお連れください。医師が問診と診察をした上で接種ができる状態かどうかを判断します。保護者のご納得が頂ければご署名を頂き接種します。

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