松戸市医師会
子育て支援

子育てについて

抗菌薬(≒抗生剤)について

1)抗菌薬とは

 抗菌薬とは、細菌を壊したり、増えるのを抑えたりする薬のことです。

 抗菌薬は細菌に対する薬ですので、ウイルスやカビなどの細菌以外が原因となる感染症には効果がありません。

 抗菌薬は他の薬と同様に副作用が出る場合があります。特に多いのは下痢です。これは病原菌だけではなく、腸内の環境を保っている細菌も抗菌薬が攻撃してしまうためです。

また、風邪など抗菌薬が必要ない病気に抗菌薬をむやみに使用すると、耐性菌(たいせいきん)といって、抗菌薬が効きにくい菌が発生しやすくなることがあり、最近は大変問題になっています。

耐性菌の増加により、抗菌薬が本当に必要な細菌感染症(中耳炎や肺炎など)が治らず重症化したり、命を落としたりすることが増えているのです。

2)風邪と抗菌薬について

風邪は、ウイルスが鼻やのどなどから体内に入り、炎症を起こし、くしゃみ鼻水、せき、たん、のどの痛み、発熱などがでる病気です。この、「風邪の原因はウイルス」というのが大切なポイントです。風邪の原因は細菌ではありません。ウイルスによって起こる風邪には、抗菌薬を飲んでも効果がないのです。

風邪の症状は、体がウイルスと戦っているサインです。風邪を治すのは免疫の力であり、薬ではありません。医師が処方した薬は、風邪のつらい症状を和らげるためのもので、原因のウイルスをやっつける薬ではないのです。

但し、一見風邪のように見えるが別の病気、のこともあります。医師は、患者さんからの話を聴いて診察をして、患者さんの症状が風邪なのか、風邪のように見えるが別の病気なのかを判断します。

3)抗菌薬が処方されたら

抗菌薬にもさまざまな種類があります。どこにおきた感染症なのか、どの菌によるものなのか、などから最適な抗菌薬を判断して処方されます。1日1回の薬もあれば、1日3回の薬もあります。それぞれ薬によって服用方法が異なりますので、医師や薬剤師の説明をきちんと聞き、正しく服用しましょう。症状がよくなったからといって途中でやめてしまうと感染症がきちんと治らない恐れがあります。また、残った薬を取っておいて後から飲むのは、病気に合わなければ効かないだけでなく、思わぬ副作用が出てしまう可能性もありますので、絶対にしないでください。

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